臓器移植Q&A

臓器移植全般臓器移植全般

移植対象者

臓器移植はどのような方が受ける治療ですか?
現在の医学で考えられる、あらゆる内科的・外科的治療を行っても治癒できないほど、臓器が障害されて機能しない場合(全摘出も含みます)には、その機能の回復の治療として臓器移植を受けるという治療選択があります。

障害された臓器の機能回復のため、その臓器を移植した方が、生命予後(どのくらい生きることができるか)や生活水準(QOL:どのような生活ができるか)の面で改善が期待されるときに、「臓器移植の適応がある」といいます。
逆に、移植により、かえって生命予後やQOLが悪化する場合には移植の適応となりません。

移植する臓器以外に、移植をしても改善しないような障害がある場合や、全身性の感染症がある場合には、移植の危険性が高過ぎますし、移植をした後の薬を効果的に飲むことが困難になるので、移植を受けることはできません。また、未治療の悪性腫瘍(がん)やその再発の危険性が高い場合、移植に必要な免疫抑制療法によりこれらが悪化することが考えられるため、基本的に移植は行われません。ほとんどの移植は手術によって行われますが、手術を受けられないほど身体の状態が悪いなど、手術そのものが受けられない場合は移植を延期する、あるいは断念することもあります。
臓器移植後には、免疫抑制薬などさまざまな薬を飲んでもらい、色々な生活の制約を守っていただく必要がありますので、臓器移植については、その説明を十分に受け、移植を受ける予定の本人(レシピエント候補)と家族がその内容をよく理解していただく必要があります。

また、臓器移植は、臓器を提供するドナーの方の善意で成り立つ医療です。したがって、頂いた臓器をいつまでも大切にし、ドナーやそのご家族に対して感謝の気持ちを持っていただくことがとても重要です。

執筆:吉田 一成・湯沢 賢治

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