臓器移植Q&A

臓器移植全般臓器移植全般

移植の費用

臓器移植を受けるには、どのくらいの費用がかかりますか。

日本国内における移植手術は多額の費用がかかり、臓器によってもその額は異なります。しかし、日本の保険制度によって多額の医療費の支払いの必要はなく、自己負担額のみの支払いとなりますし、高額療養費制度により自己負担額の大部分が払い戻される場合がほとんどです。すでに、全ての臓器移植は保険収載されていますので、手術料(移植手術、臓器採取手術)、移植後の治療費(入院・外来の検査費、薬剤費など)などは、各人で加入されている医療保険で支払われます。また、臓器不全により認定を受けている身体障害者の等級により異なり、個々の病院によっても多少の負担額がある場合もありますので、受診している移植施設の窓口で確認してください。

亡くなった方からの臓器提供による移植費用についても全て保険が適用されます。これらの診療報酬点数は日本臓器移植ネットワークのホームページを参照してください。なお、診療報酬点数は変更されることがあります。亡くなった方から移植用の臓器を採取するために医療者を派遣する交通費、臓器搬送費などは、医療保険から支払われないので、一旦支払わなくてはなりません。後で、各人が加入されている医療保険に応じて所定の場所(社会保険であれば管轄の社会保険事務所・組合など、国民保険であれば市町村役場)に申請をすると、7割程度還付されます。

移植を受けなければいけないほど重症な患者さんの場合、自己負担分は特定疾病療養制度、更生医療、小児慢性特定疾病治療研究事業、育成医療や重度障害者医療費助成制度の対象となり、さまざまな医療費補償制度を受けられることが多いです。臓器毎に基準が違いますので、担当医、レシピエント移植コーディネーターと相談して、待機中に手続きをしておいてください。
また、その上で自己負担が一定の金額を超えた場合、超えた額が払い戻される「高額療養費制度」などがあります。

執筆:吉田 一成・湯沢 賢治

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