臓器移植Q&A

肝臓肝臓

移植について

移植を受けると、どのくらい長生きできるのでしょうか?

拒絶反応を防止するのに用いる薬剤(免疫抑制薬)が進歩したことなどによって、肝臓移植の成功率は着実に向上し安定してきています。今日、多くの肝臓移植レシピエントが、5年から10年またはそれ以上も、健康な肝臓を持って暮らしています。しかし、最も大切なことはその人達が質の高い活動的な生活をしているということです。

日本肝移植学会の調査によれば、脳死肝移植を受けた595名の方々の生存率は1年89%、3年86%、5年83%、10年75%、15年64%です。一方、生体肝移植後の生存率は、1年85%、3年82%、5年79%、10年74%、15年69%です。近年、各移植施設における成績はますます向上しています。詳細は下記URLをご参照ください。

(一社)日本移植学会『移植』Vol.55, No.3より

移植された肝臓は、どのくらいもつのでしょうか?

適切に免疫抑制薬を内服され、拒絶反応や原病の再発により肝臓に障害が加わらなければ、移植された肝臓そのものの寿命は人間の寿命より長いといわれています。ただし、血流障害、拒絶反応、感染症、ウイルスの再感染、自己免疫性疾患の再発、胆道合併症、その他さまざまな要因で移植された肝臓が再び機能不全に陥ることは一定頻度認められ、移植臓器が機能不全になった場合、再肝移植が必要となります。

執筆:赤松 延久・田村 純人

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