2013.10.15

先行的献腎移植申請基準変更に関するお知らせとお願い

先行的献腎移植登録審査委員会は日本腎臓学会の活動として関連する4学会、日本移植学会、日本透析医学会、日本小児科学会、日本臨床腎移植学会と共同で審査を行ってきました。昨年7月に審査を開始してから100件を超す審査依頼があり、基準に従って審査するなかで明らかにされた問題に関し、討議を重ね、日本腎臓学会理事会に経過を報告し、改善提案を行ってきました。

審査内容を適正化するために先行的献腎移植登録基準が変更されました。
主に、小児の腎機能推算評価に関する変更です。
今後の申請は、以下の基準に従って行っていただきますようお願いいたします。

先行的死体腎移植希望者は、移植施設、あるいは治療を受けている施設の医師に申請用紙記載と提出を依頼してください。
先行的死体腎移植希望者より申請用紙提出を依頼されました腎臓専門医・移植施設の先生方は申請基準に合致することをご確認の後、申請用紙送付をお願いいたします。ご理解とご協力をよろしくお願いします。

申請先は、審査の取りまとめを日本腎臓学会・腎移植推進委員会がおこないます。同委員会委員長の名古屋第二赤十字病院 両角國男 あてにデータ入力したEXCELファイルをメールに添付して申請用紙をお送りください。
送付先メールアドレスは morozumi@nagoya2.jrc.or.jpです。

審査結果が登録基準を満たしている際には、日本臓器移植ネットワークに登録できる準備が整います。その後の登録料振込などの手続きは日本臓器移植ネットワークとでお進め下さい。

今回の先行的献腎移植登録に関する内容にご質問がありましたら以下にご連絡をお願いいたします。

〒466-8650 名古屋市昭和区妙見町2-9
名古屋第二赤十字病院 腎臓内科 両角國男
Tel 052-832-1121  Fax 052-832-1130
morozumi@nagoya2.jrc.or.jp

献腎先行的腎移植登録判定用紙 小児eGFR2013修正版


先行的腎移植を希望して献腎移植登録する症例に関する評価基準と評価法(2013年10月15日変更)

1.先行的腎移植の申請と登録が適正に行われることを検証するため、評価委員会において、希望者の基本的情報と登録時からみて過去1年間3ポイントの検査データを確認し審査する。
2.先行的腎移植希望者の献腎登録審査用データを漏れのないよう記入したEXCELファイルを送付し、適応基準に適合の判定を受けた上で日本臓器移植ネットワークに登録申請する。画像評価は不可逆性腎機能障害の評価に不可欠です。
3.腎機能(eGFR)の計算は、19歳以上は日本腎臓学会の推算式を、19歳未満は日本小児用に作成された推算式を用いる。腎機能評価法は、eGFR推算式でなく実測GFR(イヌリンクリアランス)を使用してもよい。
4.急速進行性糸球体腎炎等の急激に腎機能が低下している症例を除き、慢性進行性に腎機能が低下し、申請時より1年前後で腎代替療法が必要となる症例を登録する。
5.申請時の腎機能(eGFR)は、成人では 15 mL/分/1.73 ㎡未満を、小児と腎移植後腎機能低下例では 20 mL/分/1.73 ㎡未満を目安とする。
6.先天性腎尿路疾患(CAKUT)からの不可逆性高度腎機能障害は半年以内の3ポイントのデータで申請可能とする。
7.先行的献腎移植登録に不適切と判断されるデータ異常がある場合は登録を認めない。しかし、その後先行的献腎移植登録可能な状況になれば再申請することができる。

参考式
日本腎臓学会eGFR推算式
eGFR (mL/分/1.73 ㎡) = 194×Cr-1.094×年齢-0.287 (男性)
eGFR (mL/分/1.73 ㎡) = 194×Cr-1.094×年齢-0.287×0.739 (女性)

日本小児腎臓病学会のeGFR推算式(19歳未満に適応)
eGFR =110.2 x (reference serum Cr/patient’s serum Cr) +2.93

Reference serum Crは身長より以下の計算式で求める
男児: y =-1.259x5 +7.815x4 -18.57x3+21.39x2 -11.71x + 2.628
女児: y =-4.536x5 +27.16x4 -63.47x3+ 72.43x2 -40.06x +8.778

複雑な計算式のため下記のEXCELにて算出してください。

小児eGFRの計算

一覧へ戻る