メッセージ

広報委員長 米田 龍生
広報委員長 米田 龍生

日本移植学会のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。

移植医療には、皆様方、社会のご理解とご協力が大切になります。このホームページは、皆様に移植医療の情報提供を行い、さらにご理解を深めていただき、移植医療について考えていただく一助になることを目的に作成・運営されております。

臓器移植は、臓器の機能が障害され、移植以外の治療では治すことが出来なくなった場合に、他の人からの臓器を提供いただき、臓器の機能を回復させるという特殊な治療です。現在、iPS細胞などを用いて再生した臓器(再生医療)や人工的に作成した臓器(人工臓器)、あるいは人間以外の動物からの臓器(異種移植)を用いた移植についての開発が試みられており、将来はこういった方法により治療することが可能になるかも知れません。しかしながら、現況ではまだしばらく他の人からの臓器の提供を受ける移植が必要となります。臓器移植には臓器提供が不可欠です。健康な人の臓器の一部の提供を受ける場合(生体移植)と亡くなった方からの臓器の提供を受ける場合があります。臓器を摘出するために健康な人が手術を受けることは、全く危険性がないという訳ではなく、なるべく亡くなった方からの臓器提供が望ましいのですが、日本では提供数が少ないため、生体移植が多く行われています。日本の臓器移植の成績は世界の中でも秀でていますが、臓器提供数はまだまだ少なく、移植医療が十分に提供できておりません。臓器提供については、個々人に、「提供する権利」、「提供しない権利」、「提供を受ける権利」、「提供を受けない権利」があり、どの考え方も自由に選択することができ、尊重されます。このホームページでは「臓器移植Q&A」や「移植ことば辞典」など移植医療について、各臓器移植の専門の先生にわかりやすく記載いただいております。是非、ご理解を深め、臓器移植について考える機会にしていただければと願っております。

このホームページが移植医療と社会との架け橋になりますよう祈念しております。

2024年2月
広報委員長 米田 龍生