臓器移植Q&A

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免疫抑制薬

移植後はどのような薬を飲むのですか?

移植された臓器の細胞は、移植を受けた人の細胞と入れ替わることなく、一生涯、臓器を提供した人の細胞のままです。そのため、移植後、一生涯免疫抑制薬を内服しなければなりません。免疫抑制薬については次の項目で説明します。薬の量は移植後の日数や経過によって変わります。自己判断で薬を中止したり、量の変更を行ったりしないでください。薬の必要性を正しく理解し、きちんと決められた通りに服用してください。毎日決まった時間に服薬するのは、血中濃度を安定させるためです。

薬を飲んだが吐いてしまった場合、飲み忘れた場合には必ず連絡をしてください。
発熱や下痢が続く場合も連絡をしてください。
災害などで薬を手に入れられなくなることを考え、薬は予備のため1週間分ほど余計に持つようにしてください。外来の際に残りの日数を確認してくるようにしてください。外出の際には1つの手荷物に入れず複数に分けているとよいでしょう。飛行機に乗る際には、預ける鞄には入れずに、機内に持ち込みましょう。
解熱薬などを内服する際は、必ず病院へ連絡を入れてください。薬によっては腎臓や肝臓の機能などに影響を及ぼす恐れがあります。
他の医療機関を初めて受診する際には、服用中の薬の一覧を提示し、移植患者として受診している病院にも連絡してください。

免疫抑制薬とはどのようなものですか?

移植後は拒絶反応が起こらないように免疫抑制薬を飲みます。経過とともに薬の量は減ってきますが、一部の臓器移植を除き、一生涯飲み続ける必要があります。優れた免疫抑制薬のおかげで移植の成績は飛躍的に向上しました。しかし、全ての拒絶反応が予防できるわけではありません。また、免疫抑制薬には副作用もあります。そのため、各々の薬剤の少ない量で最大限の拒絶反応の予防効果を得るために、いくつかの薬剤を組み合わせる併用療法が行われます。
免疫抑制薬についてさらに知りたい方は、移植で使用する薬に関する書籍(「腎移植とくすり」など)を参照してください。

執筆:吉田 一成・湯沢 賢治

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