臓器移植Q&A

肝臓肝臓

移植後の食事、生活

移植後は、普通に日常生活が送れるようになるのでしょうか?

重大な合併症や現病の再発による障害がない限り、普通に日常生活が送れるようになります。ただし、免疫抑制薬は原則として一生内服する必要があります。
手術の後、半年を過ぎると通院も1カ月に1回程度に落ち着き、1年を経過する頃には免疫抑制薬の量も安定してきます。
外出や、旅行(海外旅行を含めて)も問題なくできるようになります。ジョギングからはじまり、スキーやテニス、ダイビングといったスポーツを再開する方もいますし、世界的にはオリンピックのメダリストやプロのサッカー選手もいます。
臓器移植、肝移植の目的は、病気を治療することだけでなく、レシピエント(臓器提供を受けた人)が社会復帰し完全に通常の生活を取り戻すことです。

若年女性においても、普通に家庭を築き、お子さんに恵まれる方もいらっしゃいます。ただし、移植後の妊娠は一般に比べリスクを伴うとされますので、担当医と十分相談の上、計画的に考える必要があります。

肝移植後は食生活に注意が必要です。原則禁酒です。また移植肝が脂肪肝に陥ることもあるため、肥満(BMI 25以上)に気をつけ、バランスの良い食事と適度な運動が推奨されます。生野菜、刺身や寿司などの生もの(非加熱食)については、主治医との相談が必要ですが、移植後6カ月以降は特段の制限は必要ない(消費期限・賞味期限は厳守)といわれています。

ペットについては、移植後短期には別居もしくは別室での飼育が望ましいですが、移植後6カ月程度からは同居・接触可能です。またガーデニング等の土壌との接触も感染の観点から極力避けた方がよいですが、禁止するものではありません。手袋の着用、事後の手指消毒などを徹底して、6カ月をめどに再開可能です。

執筆:赤松 延久・田村 純人

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